一生に一度の晴れ舞台である結婚式では、新郎新婦はもちろん、ゲストにとっても忘れられない一日となるよう、細部にわたる準備を進めることでしょう。
しかし、どんなに周到な計画を立てても、当日は予期せぬ出来事が起こる可能性はゼロではありません。
披露宴の進行が思わぬところで遅れてしまったり、大切な演出がトラブルに見舞われたり、あるいは新郎新婦やゲストの体調が急変したり、突然の天候の変化に見舞われたりすることもあります。
こうした万が一の事態に慌てることなく、最高の一日を締めくくるためには、事前に起こりうるトラブルを知り、そのための準備と心構えをしておくことが重要です。
結婚式当日に起こりうるトラブル例
進行、演出関連のトラブル
結婚式当日に最も発生しやすいトラブルの一つが、進行や演出に関するものです。
例えば、新郎新婦がお色直しから予定時刻よりも大幅に遅れて会場に戻ってきたり、ゲストからのサプライズ余興が長引き、全体の進行スケジュールが逼迫したりといったケースが挙げられます。
また、披露宴のクライマックスであるケーキカットの際にナイフがうまく入らなかったり、キャンドルサービスで火が移りにくかったり、さらに音響や映像のトラブルでBGMが途切れたり、上映予定だったムービーが再生されないといったハプニングも起こり得ます。
司会者の進行ミスや、新郎新婦の名前を間違えて呼んでしまうといったアクシデントも、当日の雰囲気を損ねる大きな要因となりかねません。
衣装に関するトラブルとしては、新婦のドレスの裾が破れてしまったり、ブーケやアクセサリーが取れてしまったり、あるいは指輪交換の際に指輪がうまくはまらないといった事態も想定されます。
ゲストと体調関連のトラブル
結婚式という非日常的な空間では、新郎新婦やゲストの体調に関するトラブルも起こり得ます。
前日の緊張や当日の興奮、あるいは準備の疲れから、新郎新婦が急に気分が悪くなったり、微熱を出したりするケースがあります。
また、ゲストの中にも、アレルギー反応が出てしまったり、会場の料理が口に合わなかったり、あるいは体調を崩してしまったりする方がいるかもしれません。
特に、高齢のゲストや小さなお子様連れのゲストがいる場合は、急な体調変化や怪我、予期せぬ行動などにも配慮が必要です。
さらに、親族間や友人同士など、ゲスト間で人間関係のもつれから口論や気まずい雰囲気になってしまうといった、デリケートなトラブルが発生する可能性も否定できません。
天候や外部要因のトラブル
結婚式当日の天候は、特に屋外での演出や移動を予定している場合に、大きな影響を及ぼします。
予期せぬ台風や局地的な豪雨、あるいは積雪などにより、遠方から来るゲストの交通手段が運休したり、披露宴会場までのアクセスが悪化したりする可能性があります。
また、秋の紅葉シーズンや、冬のイルミネーションなど、季節ごとの屋外イベントと日時が重なり、想定外の混雑が発生することも考えられます。
会場側の設備トラブル、例えば空調の不調や、突然の停電、あるいは他の利用客との間で予期せぬトラブルが起こる可能性もゼロではありません。
さらに、結婚指輪やウェルカムボード、大切な写真データといった、式に必要なアイテムを忘れてしまったり、紛失してしまったりするケースも、事前にしっかり確認しておくべき事項となります。
結婚式当日のトラブル準備と対処法
事前の徹底的な打ち合わせと確認
結婚式当日のトラブルを最小限に抑えるためには、事前の準備と関係者との綿密な連携が何よりも重要です。
まず、会場の担当者とは、進行スケジュールはもちろんのこと、各演出の詳細、アレルギーを持つゲストへの配慮、席次表の最終確認、そして万が一の際の連絡体制など、きめ細やかな打ち合わせを重ねることが大切です。
司会者、音響・映像担当者、カメラマンといった外部スタッフとも、進行表や使用楽曲リスト、撮影指示などを共有し、認識のずれがないかを確認しましょう。
新郎新婦の介添え人や、ブライズメイド、グルームズマンといった役割を担う友人・親族にも、具体的なサポート内容や緊急時の対応について事前にしっかりと伝えておくことで、当日のスムーズな運営に繋がります。
また、新婦のストッキングやヘアアクセサリー、メイク用品など、万が一の際に必要となる可能性のある小物は、予備を準備しておくと安心です。
予備スタッフや代替案の準備
万が一、予期せぬ事態が発生した場合に備え、事前に「もしも」の状況を想定し、対応策を準備しておくことが賢明です。
例えば、受付やゲストの誘導、写真撮影の補助など、当日の急な依頼に対応してくれる親族や友人を数名決めておくと、スタッフの負担が軽減されます。
屋外での演出を予定している場合は、悪天候になった際の代替となる屋内プログラムや、雨天時の待機場所を事前に確保しておきましょう。
音響や映像機材のトラブルに備え、予備機材の有無を確認しておいたり、最悪の場合に備えて代替となるBGMや演出プランを検討しておいたりすることも有効です。
アレルギー対応食については、会場側と密に連携し、必要であれば外部のケータリングサービスなども含めて、複数の選択肢を確保しておくと安心です。
また、急な体調不良に備え、常備薬や救急キットを準備しておくことも、万全を期す上で重要です。
当日の柔軟な対応と心構え
どれだけ周到な準備をしても、結婚式当日に予期せぬ出来事が起こる可能性はあります。
そうした事態に直面した際に、大切なのは、完璧を目指しすぎず、柔軟な心構えで臨むことです。
もしトラブルが発生した場合は、まずは慌てずに状況を冷静に把握し、会場のスタッフや司会者といったプロフェッショナルと連携を取りながら、最善の対応策を検討しましょう。
新郎新婦自身は、ゲストへの感謝の気持ちを忘れず、笑顔で過ごすことを最優先に考えることが大切です。
自分たちだけで解決できない問題に直面した場合は、無理をせず、会場のプランナーやスタッフに判断を委ねる勇気も必要です。
多少のハプニングも、後々振り返れば「あの時ああだったね」と笑って話せる、二人ならではのユニークな思い出の一部となるはずです。
まとめ
結婚式当日は、人生における特別な一日ですが、その一方で、進行の遅延や演出の失敗、ゲストの体調不良、天候の変化といった、予期せぬトラブルに見舞われる可能性も否定できません。
しかし、これらのリスクは、事前に起こりうる事態を想定し、会場との綿密な打ち合わせ、関係者との情報共有、そして予備スタッフや代替案の準備を徹底することで、大幅に軽減できます。
何よりも大切なのは、当日は完璧を求めすぎず、万が一ハプニングが起こったとしても、柔軟な心で、そして笑顔で対応できる心構えを持つことです。
そうした準備と心構えがあれば、どのような事態に遭遇しても、二人にとって最高の一日として記憶されることでしょう。
