人生の大きな節目である結婚式の準備期間は、二人の未来を形作るわくわくする時間であるはずなのに、なぜか気が重くなったり、やる気を感じられなくなったりすることはありませんか。
理想の結婚式を思い描いていたはずなのに、現実に直面すると、想像以上のタスク量や費用の問題、パートナーとの価値観の違いなど、様々な要因がモチベーションを低下させてしまうことがあります。
この時期特有の悩みや戸惑いを抱え、どうすれば前向きに準備を進めていけるのかを説明します。
結婚式準備のやる気が出ない原因
決めることや考えることが多すぎる
結婚式準備は、会場の選定から始まり、招待客のリストアップ、ウェディングドレスやタキシードといった衣装選び、披露宴の演出や進行、料理やドリンクの内容、ペーパーアイテムのデザイン、そして結婚後の新生活に関する細々とした事柄まで、想像を遥かに超えるほどの決定事項と検討事項の連続です。
一つ一つの選択が、二人の門出を彩る大切な要素であるだけに、その重要性ゆえに判断に迷いが生じやすく、「本当にこれで良いのだろうか」という不安がつきまといます。
こうした意思決定の繰り返しによって、頭の中が整理できなくなり、全体像を把握することさえ困難に感じてしまうことで、圧倒され、準備への意欲そのものが失われてしまうことがあります。
費用面での不安やプレッシャーがある
結婚式にかかる費用は、一般的に高額になることが多く、その経済的な負担は、準備を進める上で無視できない大きな要素となります。
両親からの援助があるのか、あるいは自分たちだけで賄うのかといった資金計画の検討や、場合によってはローンを組む必要性なども視野に入れなければなりません。
想像以上に費用がかさんで予算をオーバーしてしまうのではないかという恐れや、招待客に対して「立派な式を挙げなければならない」という見栄、あるいは「これだけの費用をかけることの妥当性」に対する疑問などが、知らず知らずのうちにプレッシャーとなり、準備を進めること自体への意欲を削いでしまうのです。
パートナーとの熱量の違いを感じる
結婚式は二人にとって一生に一度の大切なイベントであるはずですが、その準備に対するパートナーの関心度や、かけられる時間、そして注ぐ情熱には、しばしば温度差が生じがちです。
どちらか一方だけが熱心に準備を進めている状況が続くと、「自分ばかり頑張っている」「どうしてもう少し協力してくれないのだろう」といった孤独感や不満を感じやすくなります。
また、理想とする結婚式のイメージにずれがあったり、些細なことから意見が対立したりすると、それがコミュニケーションの障壁となり、建設的な話し合いができなくなってしまうこともあります。
こうした関係性の変化への懸念が、準備そのものを億劫にさせてしまう原因となることがあります。
人前に立つことへの恥ずかしさがある
結婚式は、親族や友人、職場関係者など、多くのゲストの前で自分たちの姿を披露し、祝福を受ける場です。
しかし、日頃から注目されることに慣れていなかったり、内気な性格であったり、あるいは自己肯定感が低いと感じている方にとって、この「主役として注目される」という状況自体が、強い抵抗感や羞恥心を伴うことがあります。
式の最中に行われるスピーチや、友人からの余興、記念撮影など、スポットライトを浴びる場面を想像するだけで、精神的な負担が重くのしかかり、前向きに準備を進める気持ちになれない、というケースも少なくありません。
やる気が出ない状態から抜け出すには？
パートナーと役割分担を明確にする
結婚式準備へのモチベーションが低下してしまう大きな理由の一つに、「すべてを一人で抱え込んでしまう」という状況が挙げられます。
この状況を打破するためには、まず、パートナーと現在の心境や抱えている負担について、率直に話し合うことから始めることが極めて重要です。
その上で、お互いの得意なことや不得意なこと、興味のある分野などを考慮しながら、具体的にどのようなタスクをどちらが担当するのかを明確にリストアップし、役割分担を決定しましょう。
例えば、情報収集やリサーチはどちらか一方に任せ、会場装飾や進行に関するアイデア出しはもう一方、といった具合に、責任の所在をはっきりさせることで、各自が自分の役割に集中しやすくなり、協力して準備を進める体制を築くことができます。
準備から離れてリフレッシュする時間を作る
結婚式準備にばかり没頭しすぎると、視野が狭まり、精神的な疲労が蓄積してしまうことが少なくありません。
そのため、意識的に結婚式準備という「非日常」から距離を置き、リフレッシュするための時間を作ることは、非常に効果的です。
二人で共通の趣味を楽しんだり、普段行かないようなレストランで食事をしたり、あるいは全く関係のない話題で気兼ねなく笑い合ったりするなど、意識的に「準備モード」をオフにする時間を取り入れることで、気分転換を図れます。
たとえ短時間であっても、こうした休息の時間は、新鮮な気持ちで再び準備期間に臨むためのエネルギーを養うことに繋がります。
完璧を目指さず代替案や妥協点を見つける
「結婚式はこうあるべきだ」「すべてを理想通りに実現しなければならない」といった完璧主義的な考え方が、かえって準備を困難にし、やる気を削いでしまう原因となっていることも少なくありません。
当初抱いていたイメージから少し外れてしまう場合でも、より現実的で、かつ満足度の高い代替案を探したり、あるいはパートナーや両親、式場プランナーといった関係者と相談しながら、柔軟に妥協点を見つけたりすることも、円滑に準備を進めるための賢明な選択肢となります。
すべてを理想通りに実現しようと固執せず、状況に応じて柔軟な発想で選択肢を検討していく姿勢を持つことが、精神的な負担を軽減し、準備を前向きに進める鍵となります。
まとめ
結婚式準備のモチベーション低下は、多くのカップルが直面する現実です。
決めることの多さ、費用の不安、パートナーとの熱量の違い、人前に立つことへの抵抗感など、様々な要因が重なり合って、やる気を感じられなくなることがあります。
しかし、これらの原因を理解し、パートナーと役割分担を明確にしたり、意識的にリフレッシュする時間を作ったり、完璧を目指さずに代替案や妥協点を見つけたりすることで、状況は必ず好転します。
大切なのは、一人で抱え込まず、二人で協力しながら、自分たちらしいペースで準備を進めていくことです。
この経験もまた、二人の絆を深めるかけがえのない時間となるでしょう。
