近年、結婚の形として注目を集めている事実婚。
「夫婦別姓を希望するけど、法律婚だと難しい…」
「結婚はしたいけど、従来の結婚制度に縛られたくない…」
そんな悩みを持つ人にとって、事実婚は魅力的な選択肢の一つと言えるでしょう。
しかし、実際には「事実婚って、どんな制度なの。」「メリットやデメリットは。」「法律的に何か問題はないの。」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
この記事では、事実婚について、その定義からメリット・デメリット、法的影響まで、詳しく解説していきます。
事実婚を検討している方はもちろん、結婚制度について改めて考えてみたいという方も、ぜひ最後まで読んでみてください。
□事実婚とは？
事実婚とは、戸籍上は婚姻届を出していないにも関わらず、夫婦と同様の生活を営んでいる状態を指します。
法律婚と異なり、法律上の手続きを踏んでいないため、戸籍上の夫婦とはみなされません。
そのため、事実婚を選択するカップルは、それぞれが結婚前の戸籍のまま、パートナーと生活を共にすることになります。
1: 内縁関係との違い
事実婚は「内縁関係」とも呼ばれることがありますが、厳密には内縁関係とは異なる概念です。
内縁関係とは、夫婦と同様の生活を営むことを前提に、互いに「夫婦である」と社会的に認められている状態を指します。
一方、事実婚は、法律上の手続きを踏んでいないため、社会的に夫婦と認められるかどうかに関しては、明確な基準がありません。
2: 近年増加している事実婚
近年、事実婚を選択するカップルが増加しています。
その背景には、以下のような要因が考えられます。
・夫婦別姓を希望するカップルの増加
・従来の結婚制度に対する価値観の変化
・ライフスタイルの多様化
3: 具体的な事例
事実婚を選択しているカップルの具体的な事例としては、以下のようなものがあります。
・夫婦別姓を希望するカップル
・仕事柄、結婚を公表したくないカップル
・結婚後の生活スタイルを変えたくないカップル
これらの事例からもわかるように、事実婚は、従来の結婚制度に縛られない、新しい形の夫婦関係として注目されています。
□事実婚のメリット
事実婚には、法律婚に比べて様々なメリットがあります。
1: 夫婦別姓が可能
事実婚では、法律婚と異なり、夫婦別姓が可能です。
戸籍が別々なので、結婚後もそれぞれの姓を名乗り続けることができます。
そのため、結婚による姓の変更を望まない人、仕事上の都合で姓を変えられない人にとって、事実婚は魅力的な選択肢と言えるでしょう。
2: 関係が終わっても戸籍に影響しない
事実婚は、法律婚のように戸籍に婚姻関係が記載されないため、関係が終了しても戸籍に影響はありません。
法律婚の場合、離婚すると戸籍に離婚の記録が残りますが、事実婚ではそのようなことはありません。
そのため、過去の恋愛や結婚の履歴を気にすることなく、新たなパートナーと事実婚を選択することができます。
3: 関係はお互いの気持ち次第
事実婚は、法律的な縛りが少ないため、お互いの気持ちだけで関係を築くことができます。
法律婚のように、離婚や財産分与などの手続きに縛られることもありません。
そのため、お互いのことを本当に愛し、信頼し合っているカップルにとって、事実婚はより自由で、より強い絆を育むための選択と言えるでしょう。
4: 相手の家族と距離を保てる
事実婚は、法律上の婚姻関係を結ばないため、相手の親族との関係も法律婚に比べて緩やかになります。
法律婚の場合、姻族関係が成立し、親族との付き合いが頻繁になることもありますが、事実婚ではそのようなことはありません。
そのため、親族との付き合いを負担に感じている人にとって、事実婚はより自由な選択と言えるでしょう。
□事実婚のデメリット
事実婚には、メリットだけでなく、デメリットも存在します。
1: 税金の控除が受けられない
事実婚は法律婚と同様に、同居の義務や扶養義務、貞操義務などが認められていますが、税制上は「扶養家族」として認められていません。
そのため、配偶者控除や扶養控除などの税制上の優遇措置を受けることができません。
2: 遺産の相続権がない
事実婚のパートナーは、法律上の相続人とはみなされません。
そのため、パートナーが亡くなった場合、遺産を相続することはできません。
遺言書を作成することで、パートナーに遺産を相続させることは可能ですが、相続税がかかる場合もあります。
3: 子どもが「婚外子」の扱いになる
事実婚のカップルに子どもが生まれた場合、法律婚と異なり、子どもは自動的に父親の戸籍には入れません。
そのため、子どもは「婚外子」として、母親の戸籍に入ることになります。
父親が子どもとの親子関係を認めたい場合は、認知の手続きを行う必要があります。
4: 経済的な安定性に不安が残る
事実婚は、法律婚と比べて、経済的な安定性に不安が残る面があります。
法律婚の場合、夫婦間で財産分与などの法的保護が受けられますが、事実婚ではそのような法的保護を受けることができません。
そのため、パートナーが病気や事故などで働けなくなった場合、経済的な困窮に陥る可能性も考えられます。
□まとめ
この記事では、事実婚の定義、メリット、デメリット、法的影響について解説しました。
事実婚は、従来の結婚制度に縛られない、新しい形の夫婦関係として注目されています。
しかし、法律婚とは異なる制度であるため、メリットだけでなく、デメリットも理解した上で慎重に選択することが重要です。
事実婚を検討する際は、パートナーとの間でしっかりと話し合い、将来にわたって安心できる選択ができるようにしましょう。
