結納金はいらない?結納をシンプルにする方法と注意点

結婚式のあり方が多様化している現代では、伝統的な結納を行うカップルは少なくなっています。
特に、結納金については、その意義や利点・欠点について疑問を抱く人も少なくないでしょう。
結婚を間近に控えたカップルにとって、結納金は重要な課題の一つと言えるかもしれません。

金銭的な負担だけでなく、両家の意見が対立したり、お互いの感情を害したりするリスクもあります。
そこで本記事では、現代的で実用性重視のカップルに向けて、結納金を省略する利点や留意点を詳しく解説し、両家が了承できる結納のスタイルを選択するためのヒントを提示します

□結納金とは「婚姻準備資金」のこと

結納金とは、正式な婚約の証として行われる「結納」の際に贈呈される金銭のことを指します。

地域によっては「金包」(きんぽう)や「御帯料」(おんおびりょう)、「小袖料」(こそでりょう)などの呼び名があります。
本来、結納金は「女性が結婚(嫁入り)の用意をするための資金」として贈られるもので、「婚姻準備資金」とも言えます。
通常は新郎側から新婦側に贈られますが、男性が「婿入り」をする場合は、新婦側から新郎側に贈られることもあります。

以前は、仲人が両家を行き来し、両家の家族は顔を合わせない「正式結納」が主流でした。
しかし現代では、儀式を簡略化し両家が一堂に会する「略式結納」が一般的になっています。

「結婚スタイルマガジン」の調査結果では、結納を行ったカップルのうち、「正式結納」を選択したのは18.1%にとどまり、「略式結納」が主流であることが明らかになっています。

ただし、どちらの形式を選ぶにせよ、結納金は基本的に贈るものだと理解しておきましょう。

□結納で「結納金なし」は可能?

最近では、結納金を伴わない結納も増えており、特に略式結納であれば問題ありません。

「周りでも結納金なしが多いけど、実際どうなの」「失礼にならないかな」と不安を感じる方もいるでしょう。

結婚のスタイルや儀式は時代とともに変遷しているため、昔ほど固執しない家庭も増加しています。
また、結納にもさまざまな形式があり、互いが納得できる方法で進めることが肝要です。

1: 略式結納なら問題なし

結納は大まかに以下の2つに分類されます。

・ 「正式結納」…仲人が両家を往来して結納品を授受する
・ 「略式結納」…両家のみで執り行う

以前は、正式結納が主流でしたが、現在では、仲人不在、負担増大、家族だけで簡潔に行いたい等の理由から、略式結納が一般的です。
また、厳粛な雰囲気の中、高価な品々を用意して行う結納自体が時代に合わなくなり、「正式結納」の儀式そのものを知らない世代も増えていることも、要因の一つと言えます。

正式結納の場合、関東式・関西式に則って、以下のようなアイテムが必要となります。

・ 結納金
・ 結納品(指輪、花束、菓子、熨斗など)
・ 結納金を入れる金包
・ 結納の飾り

略式結納は、両家顔合わせの食事会などと併せて行われることが多く、「結納金なし」「結納金のみ」「結納飾りなし」「婚約指輪や婚約アイテムだけ」など、多様な形式に変化しています。

そのため、略式結納の場合は「結納金なし」でも問題ありません。
略式結納を行う際は、結納品を一式揃えた結納セットが販売されていたり、場所によっては結納で優先的に準備してくれるホテルなどのプランもあります。

2: そもそも結納金の役割とは

結納金は結納において、新郎側が新婦側に「お嫁さんになるための準備資金」として贈るもの。

婿養子として男性が女性の家に入る場合は、女性から男性に贈られます。

元々は、「御帯料(おんおびりょう)」や「小袖料(こそでりょう)」と呼ばれ、着物や婚礼のための衣装を贈っていましたが、時代とともに金銭へと変化。

婚礼家具(嫁入り道具)や婚礼衣装を整えるための資金として贈られるようになりました。
現在では、新居の家具代金や同棲する家の頭金や家賃に充てる夫婦も多いようです。

3: 結納金をなしにするメリット

結納金自体は結婚式とは別に用意する必要があり、それも少額ではありません。

「結納金なし」と決めたことで、二人にとっても利点となります。

ここでは、結納金をなしにするメリットを3つ紹介します。

1: 結婚式や新生活の費用に充てられる
結納金をなしにすることで、結婚式や新生活の費用に回すことができます。

近年、結婚式や新生活の準備にかかる費用が高騰しているため、結納金を節約することで、より充実した結婚式を挙げたり、新居を整えたりすることが可能です。

2: 両家の負担を軽減できる
結納金は、両家にとって経済的な負担となります。

特に、両家の経済状況に差がある場合、結納金を贈ることで、どちらかの家族が経済的に重荷を感じてしまう可能性があります。
結納金をなしにすることで、両家の負担を和らげ、お互いの関係を良好に保てます。

3: シンプルな婚約のスタイルを実現できる
結納は、伝統的な儀式として、古くから行われてきました。

しかし現代では、伝統的な儀式にこだわらず、自分たちのスタイルで婚約したいと考えているカップルも増加しています。
結納金をなしにすることで、形式に縛られず、シンプルで自由な婚約のスタイルを実現できます。

□結納金なしを判断する際の留意点

結納金なしで結納することは、現代ではめずらしいことではなくなりました。

とはいえ、結納金なしで結納することに、両家の両親が違和感を覚えるケースもあるでしょう。
結納金なしを判断する際には、以下の点に注意しましょう。

1: 報告だけでなく「理由」も添える

結納金なしでの結納を決めたら、報告だけで済ませるのではなく、きちんと理由も付け加えることが大切です。

「結納はしますが、結納金は用意しないことになりました」と報告だけに留めてしまうと、相手の両親が我が子を大切にされていないと感じたり、お金を出し惜しんでいるといった印象を与えたりする場合があるためです。

「新生活の準備に充てるため」「結婚式の費用に資金を投じるため」「両家の負担を減らすため」など、結納金なしの報告と理由はセットにしましょう。

2: 結婚式費用の負担方法を決める

結納金なしにする場合、結婚式費用の負担方法について事前に話し合っておく必要があります。
従来は、結納金がある場合は両家で折半するか、結納金を受け取った側の新婦が多めに負担することが一般的でした。
しかし、結納金なしの場合は、どのような方法で負担するのか、事前に明確にしておくことが重要です。

3: 両家の価値観のすり合わせ

結納金なしで結納を行うことは、伝統的なしきたりを重視する両親にとっては、受け入れがたい場合もあるかもしれません。
そのため、結納金なしにすることを決める前に、両家の価値観をしっかりとすり合わせ、お互いに納得のいく結論を導き出すことが重要です。

□結納金なしでも素敵な結納を

結納金なしでも、ふたりらしい素敵な結納の形はたくさんあります。
大切なのは、互いに気持ちよく、そして将来への希望に満ちた、素敵なスタートを切ることです。
では、結納金なしでも素敵な結納をするにはどうすれば良いのでしょうか。

1: 簡素化された結納

結納金なしで、簡素化された結納を行う方法も人気です。
例えば、両家の顔合わせ食事会を兼ねて、食事をしながら結納の儀式を行う方法や、結納品を贈り合う代わりに、記念品を贈り合う方法などがあります。

2: 旅行やイベントで結納

結納の儀式にこだわらず、旅行やイベントで結納を行う方法もおすすめです。
例えば、思い出の場所に旅行に行って、そこで結納の報告をする方法や、好きなアーティストのコンサートや舞台を観に行く際に、結納の報告をする方法などがあります。

3: 互いの気持ちを伝える

結納は、結婚の意思を表明し、お互いの気持ちを確かめ合う大切な儀式です。
結納金なしでも、心から相手への愛情と感謝の気持ちを伝えることができれば、素敵な結納となるでしょう。

□まとめ

結納金なしで結納を行うことは、現代では珍しくありません。
結納金なしにすることで、結婚式や新生活の費用に充てたり、経済的な負担を軽減したりできるなど、多くのメリットがあります。

しかし、親への報告方法や結婚式費用との兼ね合いなど、注意すべき点もいくつかあります。
結納金なしで結納を行う際には、事前にしっかりと話し合い、お互いに納得のいく形で進めることが大切です。
そして、結納金なしでも、ふたりらしい素敵な結納の形を見つけて、将来への希望に満ちたスタートを切りましょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA